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最高裁判所第三小法廷 昭和41年(オ)118号 判決 1967年12月26日

上告人

羽賀留美子

丸石文弘

右両名代理人

三原道也

被上告人

賀来正

賀来徳雄

右両名代理人

榎本勲

永峰重夫

主文

原判決を破棄し、本件を福岡高等裁判所に差し戻す。

理由

上告代理人三原道也の上告理由第二、三点について。

原判決は、本件各所有権確認請求を審理するにあたり、前提として本件各土地の境界を確定しているが、境界確定については、上告人丸石文弘と被上告人らとの間に合意が成立したことのみに依拠していること明らかである。

しかし、相隣者間において境界を定めた事実があつても、これによつて、その一筆の土地の境界自体は変動しないものというべきである(昭和三一年一二月二八日当裁判所第二小法廷判決・民集一〇巻一二号一六三九頁参照)。したがつて右合意の事実を境界確定のための一資料にすることは、もとより差し支えないが、これのみにより確定することは許されないものというべきである。

されば、論旨は理由あり、原判決を破棄し、境界確定につき更に審理をさせるため原審に差し戻すべきものとする。

よつて、その余の上告論旨に対する判断を省略し、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(横田正俊 田中二郎 下村三郎 松本正雄 飯村義美)

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